水害 緊急対応中
鬼怒川の氾濫により、常総市水海道地区にも大きな被害が出ています。避難中の方、家や職場などが浸水した方の不安や悲しみを思うといたたまれない気持ちになります。
関東鉄道常総線水海道駅付近の9/11の写真。膝まで水がありました。
場所によっては首の高さまで水位があった形跡もありました。
床上浸水になってしまった家の畳を上げてみました。
表面上は変わりなかったのですが、持ち上げるとずっしりと重く、下地板は湿っていました。「布基礎」で、床下が土なので、水は地面にしみこんでいます。
しばらく乾燥させて、掃除をしてから、元のように畳を入れたりフローリングに張り換えたりします。
別のお宅では、床下に防湿コンクリートを打ってあり地面に水が吸収されないため、機械で水を吸い上げました。
幸い、基礎の「人通口」の下端が防湿コンクリート面と「ゾロ」だったので、1ヶ所からの吸い上げでほとんど水を取ることができたのですが、もし「人通口」の下端に補強筋を入れるための立上りがあると、区画ごとに水が溜まってしまい、吸い上げが困難だったところです。
また、同じくらいの地盤高のエリアにあっても、浸水した家、しない家があります。
建物を建てる際に設計GLを決めることにはいつも細心の注意を払いますし、現場で最終決定することには緊張と恐れが伴いますが、その緊張と恐れは主に住みやすさ、水はけの良さ、排水管の勾配、道路レベルとの関係、のバランスを取ることから来ています。
川などの水が近かったり過去に水害があった地域では、「浸水しない高さ」について、廻りの古い家と比較して検討しますが、今回の災害で、その重要性が大変に際立ちました。
古い家の造られ方、ご老人の昔話。もっともっと大事にしていきたいです。